一昔前は、最初に入社した企業に定年まで骨をうずめる・・という働き方がごく一般的でしたが、近年は転職するケースが非常に増えてきていますよね。
私自身も、転職活動自体はしたことがあり、内定を頂いたり最終面接まで進んだ企業がいくつもありました。
今回は、その際に感じたこととノウハウを公開していきたいと思います。
まずは私のスペックから。人それぞれ転職する際の背景は違いますので、転職活動時のスペックを明かしていない転職の体験談をみてもあまり価値がないなと思います。
・勤め先 日系大手IT企業
・転職先 日系大手事業会社
・年収 300万up
・年次 中堅社員
・学歴 旧帝大
・資格など TOEIC およそ900点
です。自分で言うのもあれですが、これだけ見るとハイスペックな方ですね笑
後述しますが、大企業への転職活動ではスペックだけで内定までたどり着けることはほとんどないです。
(大量に中途採用を行っている場合は別ですが、基本的には準備をしておかないと落とされます。)
相手に何をどう伝えるか、をどれだけ準備できるかが最も重要です。
それでは転職の手順を順に説明していきます。
step① まずは転職サイトへ登録しよう
兎にも角にもこれがスタートですね。
転職しようかな、と思ったタイミングで登録を始めると少し遅いので、転職に興味がなくても登録だけはしておいたほうが良いと思います。
登録をしておくと、ヘッドハンターが登録者の経歴をみてメッセージを送ってきてくれるので、興味があるメッセージ内容に反応し、転職活動を開始する、という流れになっていきます。
なぜ「転職したい!」と思ったタイミングでの登録では少々遅いかと言うと、ヘッドハンターからのメッセージが登録したタイミングで来るとは限らないからです。
ヘッドハンターからのメッセージは、企業が中途採用をしようと思っている時期に集中します。
ですので、転職したいと思っている人が登録したタイミングが上記のタイミングであればトントン拍子で行く可能性もありますが、そのタイミングを逃さないように事前に登録しておいたほうが良いよ、という話です。
ヘッドハンターからのメッセージの中で気になる案件のみチェックするだけでも、「この業界って今こんなに人集めているんだ」とか社会情勢も知れるので、結論まず登録しよう、ですね。
実際に私が使用していた転職サイトは一つで、ビズリーチになります。
他にも多くの転職サイトがあるのですが、以下のサイトも登録をしておいても良いかもしれません。
シンプルに考えて、同じ経歴書を複数の転職サイトに登録しておくほうが、多くのヘッドハンターからメッセージを受け取れる率があがりますからね。
でもまあ個人的には、1つの転職サイトのみで結果が出ているので、ビズリーチのみで十分かなと思っています。
他のサイトへの登録とかを考えると、それだけ作業が多くなりますのでまずは1つのサイトで良いです。
step② 転職サイトで業務経歴を更新しておく
転職サイトに登録すると、業務経歴を作成してください、というように誘導されます。
業務経歴は後で作成することもできるのですが、業務経歴を作成しておかないとヘッドハンターからもメッセージが届かず、転職サイトに登録したことになっていない扱いなのですぐに登録してしまいましょう。
最初から完璧を求めず、まずは記入しておく、というくらいで良いと思います。
(もちろん、後々時間がある時に限られた文字数で自分のやってきた仕事内容を相手に伝わりやすいワードでまとめあげる、ということは必要になるのですが、それはヘッドハンターと会った時に指導してくれたりするので、その場でやるのもありです。)
業務経歴の書き方のポイントとしては、以下の2点。
【業務経歴の書き方】
・極力携わってきたプロジェクトや業務内容をすべて書き起こす。
・自分が最もアピールした内容があるプロジェクトや業務のみ、付加情報をつけてアピールする。(要は、この部分で文字数を使うということ。)
これでまずは書いてみて、ヘッドハンターからのメッセージを待ちましょう。
step③ エントリーシートを記載する
ヘッドハンターとのメッセージやり取りや面談を経て、転職を希望する企業にエントリーします。
そこでほぼ必ず書く必要があるのがエントリーシート。
これは新卒の時と変わらない部分ですね。
転職活動時でもエントリーシートの記入はほぼ必須になります。
しかしながら、新卒の時のエントリーシートよりも転職の時のエントリーシートのほうがシンプルになっている傾向があります。
基本的に、転職する時のエントリーシートは以下の2点を考えておけばOK。
【エントリーシートで聞かれること】
・あなたの業務経歴を教えてください
・志望理由を教えてください
上記2つの質問に対して、それぞれ大体800文字以内の字数で書く、というのがオーソドックスです。
エントリーシートが重要になるのは特に1次面接の時で、エントリーシートを基に深掘りしてくる、というケースが非常に多いです。
後述する面接のポイントで改めて説明しますが、1次面接ではほぼ必ずエントリーシートに記載の内容を聞かれますので、自分のアピールポイントを、自分が最も語れる経験とセットで記載しましょう。
テスト対策は必須
転職する時にネックになるのがこのテスト。
大企業に転職する時には、どこの企業の面接を受けるにしても、まずは何かしらのテストを受ける必要があります。
正直、このテスト成績が悪いとエントリーシートも見られることなく書類審査で落とされてしまいます。
ですので、普段の仕事が忙しくて時間が無いのであれば、エントリーシートよりもテスト勉強にかける時間を増やすべきです。
それと、ヘッドハンター経由であればテストを免除してもらえるかも・・と思っている方には残念なお知らせですが、大企業への転職の際には、転職サイトのヘッドハンター経由であったとしてもテストが免除されることはありません。
面倒ですが、ちゃんと勉強しましょう。
勉強を始める前に、ですが、当然転職しようと思っている企業で何のテストが採用されているか、知っておく必要があります。
企業によって採用しているテストの種類が違っているので、情報収集が必要・・なのですが、ヘッドハンター経由でエントリーする場合は、たいていの場合何のテストを勉強する必要があります。
テストの種類が多いとその分勉強する時間が取られて大変です。
ぱっと思いつくだけでも以下のテストがありますよね。
・SPI
・テストセンター
・GAB
・玉手箱
なので、転職する際の戦略的に、転職する業種などが定まっている場合には同じテストを採用している企業に絞ってエントリーする、というのも戦略の一つです。
私は上記の作戦を取っていましたね。一気に複数のテスト対策するのは、時間的にしんどかったです。
企業によっては、テストの成績を重要視しているところもありますので、十分な対策を講じておくに越したことはありません。
対策としては、以下のシリーズ本の中から受験するテストの種類のものを選んで一通りやれば、合格ラインには届くかなと。
(全く同じ問題はなかなか出題されないですが、類題が出題されます。なので問題ごとの解法をマスターしておくイメージ。)
テストで一番良く聞く悩みは、数学の問題が出題されるテストでどうにも答えられない、というもの。
テストセンターとかSPIとかだと、確率の問題とか速さ・時間・距離の問題が頻出です。
ここの教養が無いと、対策本だけやっていてもテスト本番で解答するのは難しいです。
おそらく、文系出身者(数学受験していない人)のほとんどがこの壁にぶちあたることでしょう。
その場合、独学でマスターするのは結構難しいので、その分野は思い切って諦めてしまうのも作戦としてはアリです。
勉強するにしても、時間的効率はかなり悪いと思いますので、数学系の問題の対策は後回しにしましょう。
あとは、数学のできる友達を召喚する・・という作戦ですね。笑
基本的にテストは自分のPCを使って受験することになるので、人脈がある人はこれもありかなと個人的には思います。
書類審査通過するためには
書類審査はテストで良い結果を残せば大体通過します。
この時点でエントリーシートをじっくり読まれている可能性はかなり低く、テストの他に書類通過を決めている要素があるとしたら学歴でしょう。
特に、大手企業の転職の場合、大学を出ていないと突破するのは難しいです。
そもそも募集要項で大卒が絶対条件と記載している企業もありますし。
また、大学を出ていたとしても、大学のレベルはピンキリですよね。
もちろん、まだ新設されたばかりで低い偏差値の大学出身者よりかは、もちろん東大出身者の方が有利なことは言うまでもありません。
ただ、近年は昔に比べると学歴フィルターはゆるくなっている印象です。
なぜならば、「多様な人材を確保したい」という企業が近年増加しているからです。
学歴フィルターの存在は否定できませんが、低い偏差値の大学でも100%不可能ではないです。
(実際、内定をもらった人とかと知り合ってみると、高学歴の割合はやはり高いですが、そんな偏差値の高い大学出身者でも大企業に入社しているケースは近年見かけるようになりました。)
とはいえ、良い大学に行けなかった人がそこで文句を言っても何も始まらないので、しっかりテストで点を取ることが大切です。
テストは意外と良い大学に行っている人でも全然できない人が多いんです。
面接のポイントは?
大手企業の転職面接は、2,3回行うというのがスタンダードです。
(ヘッドハンター経由だと、面接回数が少なくなったりすることもあります。)
それぞれの面接では以下の特徴がありますので、まずはこちらをインプットした上で、何をどう話すか準備するのが良いです。
ここからは、面接が3回あるとした場合、各面接でどのような対策が必要なのかのポイントを記載していきます。
1次面接を通過するためのポイント
1次面接を通過するポイントは、
・基本的にエントリーシートに沿って聞かれる。
・学生時代の話を聞かれることも多い。
エントリーシートが最も重要になるのは1次面接です。
エントリーシートに記載している内容について、面接官が気になった箇所を深掘りしてきます。
逆に言えば、エントリーシートに記載している内容をしっかり伝えることができれな1次面接を通過できる確率は上がりますので、対策をすることで突破率を上げることができるようになります。
例えば、エントリーシートにはこんなことを書くケースが多いと思います。
【業務経歴などにおいて】
①「自分は○○な人間です。自分は○○が強みです。」などの自分のアピールポイント。
②「△△のプロジェクトでは、✗✗な役割を担ってきました。この役割をこなすにあたって工夫したことは・・」などの、業務上のアピールポイント。
【志望理由について】
③「私は○○の部署を志望しています。」という志望理由や志望動機。
④なぜ転職をしようと思ったのか。
結構あっさり書きましたが、大筋上記の4点は必ず記載すると思いますし、必ず質問される内容です。
必ず質問される内容なので、絶対に相手に伝わるように説明できるように準備しておく必要があります。
これができない人は、1次面接で高確率で落ちます。企業側も1次面接で半分以上見切らないといけないわけですからね。(準備せずにその場あたりで乗り切ろうとして落ちる人がほとんど。)
えー、そんなことしないといけないの・・。
とテンションが下がってしまう方もいるかもしれませんが、普段の仕事を考えてみてください。
プレゼンするのにざっと作成した資料だけでプレゼンを行いますか?
必ず、資料を基に「どうやって説明するか」を考えますよね?
転職活動でも同じです。論理的に相手に伝わりやすい内容を準備しましょう。
じゃあどうやって考えていくのか、を上記3点それぞれについて解説していきます。
①自分のアピールポイントを伝えよう
「自分は○○な人間です。自分は○○が強みです。」などの自分のアピールポイントをまずは伝える必要があります。
言い換えれば、あなたはどんな人間なのかを、面接官に話をしてあげるということですね。
面接官によく聞かれる例としては、
「「○○が強み」と書いていますが、具体的にはどういったところが○○なのでしょうか。」
という感じです。
よって、○○と言えるのはなぜか、ということを自分の経験ベース(転職の面接の場合は、業務ベースで答えるべき。)で語る必要があります。
なので必然的に、何かしらのプロジェクトでの経験をここで語ることになります。
とすると、話を聞く側(面接官)からしてみれば、プロジェクトの背景を知らない状態で転職者の経験を聞くよりも、プロジェクト背景を伝えてあげた上で経験を語ったほうがイメージしやすくなります。
ということで、こういった質問の解答として用意すべきは、
・簡潔にプロジェクトや業務の内容を相手に伝えつつ、経験ベースで自分のアピールポイントを主張する
です。
②業務上のアピールポイントを伝えよう
「△△のプロジェクトでは、✗✗な役割を担ってきました。この役割をこなすにあたって工夫したことは・・」などの、業務上のアピールポイントも伝える必要ありです。
これは、①がしっかり話せているとより話やすくなるのが理解いただけるでしょうか。
すでに①で背景や強みを伝えているので、この質問はさらに転職者がどのような仕事をしているのかをイメージするためのもの、という位置づけにすることができます。
工夫ポイントなどはエントリーシートの字数の関係上、書ききれないことがあると思いますので、それらを論理的に伝えましょう。
当然ですが、工夫したポイントなどを当日面接の場で考えるのはNGです。
聞かれることがある程度わかっているのに、それに対して準備しないのはもったいなさすぎます。
事前に「工夫したポイント」を簡潔かつ相手に伝わりやすくまとめておきましょう。
③志望理由や志望動機を伝えよう
「私は○○の部署を志望しています。」といった志望理由や志望動機を伝えることも必須です。
ここで聞かれるのは、なぜその企業を志望しているのか。
これも、①と②で回答している経験ベースに基づいて回答しましょう。
でないと、志望動機に一貫性がなく、面接官も??状態になってしまいます。
そのためには少なくとも自分のしてきた経験が、その企業のどこの部署なら活かせそうか、それはなぜかというのは事前にリサーチする必要があります。
良く、企業のパンフレットや経営状況をみておきましょう、というアドバイスを見ることが多いですが、それは上記の回答を準備するため、というのが最も大きな理由だと思います。
その会社にはどういう部署があって、それぞれの部署ではどんな目標を掲げていて、どんなことをしているのか、は各企業のアニュアルレポートがわかりやすいです。検索で「企業名 アニュアルレポート」ですぐ出てきますのでそれをチェックしつつ、志望理由を納得行くところに落とし込みましょう。
④なぜ転職をしようと思ったのか。
これも良く聞かれる質問です。
この回答のNGとしては、「現職では給料が低いから」とか、「現職での人間関係が悪くて」という内容ですね。
事実なのかもしれませんが、そうではなく志望動機と関連させて回答しましょう。
①〜③で語ってきた経験ベースの内容で、例えば
「これまでは○○といった仕事内容だったが、△△といったような立場の方と一緒に仕事をした際に、その仕事内容に興味を持った。
その仕事であれば、自分のこれまでの経験を活かすだけでなく、さらにレベルを上げることができる。
加えて、自分の目標として先ほど語った✗✗という目標を達成するためには、現職ではなく御社で達成できるものと考えているからです。」
という感じ。
上述してきた①〜④の内容は必ず事前に準備していきましょう。
1次面接の突破率がかなり変わるはずです。
念の為、まとめておいた方が良いこととして、学生時代の話が挙げられます。
⑤学生時代は何をしていたのか
面接官が短時間で応募者の人物像を把握するために、学生時代の話を転職活動時に聞いてくることがあります。
どちらかというと、20代くらいの若い転職者向けに聞いてくることが多いです。
なぜかというと、30代以降になると仕事で語れるエピソードが豊富で、面接時間に学生時代の話をしている時間が無くなってきますが、20代の転職者だと、語れるエピソードはそこまで多くないためです。
先に挙げている①〜④のポイントと比較すると準備する優先度は落ちますが、若い年次の方であればまとめておいたほうが良いです。
新卒の面接の時に色々とまとめていたでしょうから、その内容を掘り返して思い起こせて入れば十分だと思います。
以上が1次面接のポイントです。
基本的にアドバイスは担当するヘッドハンターが行ってくれるはずですが、不安や良くわからない部分があればできる範囲で相談にのります。
コメントか問い合わせよりメッセージください。
2次面接を通過するためのポイント
2次面接は、1次面接のさらに深掘りバージョンです。
加えて、面接官によって質問内容もバラける印象が強く、ここは頭の回転とどれだけ仕事で経験を積んできたか、ということが問われます。
質問に対して、語れる経験やアイデアがその場で浮かべばOK。
どう伝えるか、というのは、1次面接の時に結構考えて訓練されているので、おおよそ問題ないはず。
後は気持ちを乗せて伝えることですね。
2次面接以降は、あまり事前の対策は打てません。
ただし、1次面接で話した内容を深掘りされるため、1次面接終了後、記憶が新しいうち何を話したのか、何を聞かれたのかはメモ帳かなにかにすぐに書き出しましょう。
例えば、こんな質問をされることがあります。
「1次面接で、○○っていう話をされたみたいですが、これ具体的にどんな話だったの?」
みたいな感じです。
ここでの回答として、「すいません、覚えていないです」は結構残念な回答です。
なぜなら、面接官はその場でメモを書き残して次の面接官に伝えているわけなので、絶対に話しはしているはずなのです。
なのにそれを覚えていない・・。これがマイナスの印象を与えてしまうのは理解できますよね。
なので、万全を期するためにも1次面接の内容はすぐにアウトプットしましょう。
最終面接を通過するためのポイント
さああと1歩!
ですがここで残念ながら落ちてしまう人も多いです。(最終面接はほぼ落とされない企業もありますが、絶対に油断しないように。)
対策としては2次面接同様となります。1次面接、2次面接で聞かれた内容をアウトプットし、それまで話してきた内容は整理しておきましょう。
最終面接では、これまでの経験の話よりも志望動機系の質問にウェイトが置かれます。
つまり、最後に重要なのは「どれだけその企業に入りたいか」というパッションです。
特に特別な対策は必要なく、1次面接で用意した志望動機を自信を持って伝える、ということが大切ですね。
以上、私の実体験をもとに転職の際の手順、ポイントをまとめてみました。
まずは転職サイトへの登録から!ですよ。
まだの方はいつか転職したいタイミングがやってくる時のために登録して経歴表の作成までやってしまいましょう。
質問あればコメントくださいませ。
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