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SIerのやりがいをひたすら語ってみる【辛いことも多いけどね】

“SIerのやりがいって何ですか?”

こういう質問をされた時、SIerの社員であるならどう答えるでしょうか。

答えに窮してしまう人の方が多いのではないかなと思ってしまう今日このごろです。

この記事のタイトルとはいきなり逆行してしまうのですが、そう思う背景からまずは語っていきたいと思います。

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SIerを楽しめている人は3割説

まあ会社員なんて、どんな企業であれできれば行きたくないとか、金のためだけに働いているんだとか、そんなものなのかなーと思ったりするのですが、SIerでも得られる給料や福利厚生を大きな目的として働いている人も少なくありません。

もちろん、お金は大事なので、それをモチベーションにして働く事自体は自分も合意するのですが、それ自体はやりがいと呼べるものではないのでしょう。
仕事に夢中になり、より良い待遇を受ける。
これが理想なのですが、多くの人にとってやりがいを見出すことはなかなか難しいという現実が垣間見えます。

SIerでも、実際に周囲を見ていて仕事を楽しんでいる人って全体の3割くらいな印象です。
そもそもそんなに楽しいって思える人が多い環境であれば、もっと日本のITは進んでいてもおかしくないと思います。

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やりがいってなんだろう

自分はやりがいを感じる条件として、以下2つがあると思います。

POINT

・自分のやっている仕事が成功した場合、どのような影響を及ぼすか想像することができ、顧客と一緒に喜ぶことができる
・仕事を終えて、自分が成長したことを実感することができる

もうこの2点に尽きると思います。
よって、SIerのやりがいについて、この2点を軸にして話を展開していきたいと思います。

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SIerのやりがいを考察してみる

自分のやっている仕事が成功した場合、どのような影響を及ぼすか想像することができ、顧客と一緒に喜ぶことができる

 
この状態になるためには、SIerとしてシステム開発した時、そのシステムによって誰にとって価値あるものになるのか。
つまり、システム開発の根本的な目的を理解し、それに自分が共感できるかどうかが、やりがいに直接的に関わってきます。

例えばこういった目的感ではやりがいを感じることは難しいです。

EXAMPLE

①顧客側で、法律が変更になり、それに伴い大きなシステム仕様変更をする必要が生じた
→SIerの仕事内容としてはありがちなパターン。確かに顧客側は対応が必要なのは間違いなのでしょうけど、単純に法律が変わったからシステム変更しますって、大したやりがい感じないですよね…
②古いシステムなので、新しいハードウェアに乗せ換えつつ、モダンなプログラミング言語でシステム刷新を行いたい
→これもSIerあるある。この場合、仕様は前のシステムと同じでよいから!と言われて、前のシステム仕様書を基に作り変えていくんですけど、まあこれだけだとやる気でないですよね。

では、どうすればやりがいにつなげることができるかと言うと、上記の内容に対して、情報収集必要性を自分で考え未来につなげていく、という段取りが必要になります。
上記の①を例にして見方を紹介してみると、

POINT

・外部環境が変わったことで、顧客の業務はどのような影響を受けるのか。(情報収集)
・影響が分かった場合、それは業務を変えるのが良いのか、システムを変える方が良いのか。その選別はできているのか。
・顧客の顧客(エンドユーザー)にとって、今回の変更はどのような影響があるのか。
・そこまで把握した上で、システム改修以外にも顧客にとってやるべきことはないのか。

ここまで考えると、目的感が具体的かつ腹落ち感が出てきます。

ここまで考えることができて自分でディレクションもして、かつプログラマ・エンジニアと対等に会話ができる人っていうのがこれからの時代、最強のエンジニアと言っても良い一つのモデルだと考えています。

上記の内容を捉えていくのは非常に難しいことなのですが。
また、すでに顧客によって要件がだいたい固められているということもあり、SIerとしては言われたとおりに作らなければならない局面も多分にあります。しかし、内情を捉えた上でシステムの目的を捉えているのと、表面上の目的を捉えているのでは雲泥の差です。

仕事を終えて、自分が成長したことを実感することができる

次に、一つの仕事(大きな単位で)をやり終えた後に、やる前とやった後で自分がどう変わったかを実感できることって大切です。

仕事というのは、顧客に価値をもたらし喜んでもらうのが大きな意味ですが、もう一つの大きな側面としては自分を成長させてくれるものだということがあります。

わかりやすく言うと、1年間仕事をやってみて、自分が何ができるようになったのかを言語化できない場合、そのまま今の仕事を続けていても良いのか。はたまた自分は仕事とちゃんと向き合っているのか。
このあたりを再考していく必要があると思います。

SIerは大きなシステム開発を行っていくので、そこで学べることというのは多分にあります。
大規模システムを完遂させるために必要なことは何か。それを自分の中で積み上げることができる環境なのです。

プログラマにとっては話が変わってくる

しかしながらこれはプログラマにとっての話になってしまいますが、SIerのプログラマは停滞してしまう人が多いと思います。
これはその本人が悪いというわけではなく、SIerのシステム開発環境がそうさせてしまう部分が多分にあると考えています。
上述したような話って、上流をコントロールするSIerの範疇の話になってしまいますし、プログラマはSIerよりも、自社開発などの企業に言ったほうが良いと思いますね…。
SIerのプログラマも経験を積むのには良い環境だとは思いますので、長くて5年。それくらいで開発スキルを身に着けて次の職場をステップアップの意味で探したほうがよいと思います。
プログラマは、最新の技術を使い、どのようにすれば顧客にとって最適なアーキテクチャになるかや、どのようなAPIを組み合わせればうまくいくのか、どのようなAPIを開発すれば有益なのか、そういったことを考えて形にしていく力こそ、現代で価値が上がっていくスキルだと考えます。
SIerのプログラマは、それこそ仕様の通りに実装するのが総合的に正になってしまいますし、特段、最新の技術を使う必要もなく、むしろ顧客企業のシステム会社のルールみたいなものが存在していたりすると、コーディングの自由度が大幅に制限されてしまいます。

ありがちなやりがい

また、「あなたのやりがいはなんですか?」みたいな質問をされた時に、よく聞く回答が

多くの人とコミュニケーションをとりながら何かを成し遂げたときです

って言う人多いのですが、それやりがいじゃないからね…って突っ込みたくなります。
そして、こういう回答の人ほど、会社に入って数年で

何のために働いているかわからない

とか言い始めるというものです。「多くの人とコミュニケーションをとりながら何かを成し遂げる」なんて社会では当たり前なので、仕事は何でも良いですと言っているようなものなんですよね。

ほとんどの人が表面的な目的しか知らない

冒頭でも記載しましたが、SIerで仕事を楽しめている人の割合が3割説、まあ私の感覚値でしかないのですが、楽しめている人というのは、システム開発の目的および将来像を見据えることができている人だと考えます。

自分は少なくとも、なぜそのシステムが必要なのかということを考えつつ、どうすれば顧客の将来につながるような内容を残していけるかどうか、という視点でものごとを考えていました。
有意義な目的に行き着かない開発というものは、全くやる気が起きなかったですねw
それでも顧客がやるっていったらやるのですが、手抜き感満載で上司とかからも叱責されることが多かった気がします。
(まあ、もろもろ最終的に意思決定するのはユーザー企業なのですが。。)

大規模システム開発はSIerにしかできないこと

これは以下の記事のSIerのメリットの一つに書いているのですが、日本で大規模システム開発をしようとするとSIerなしでは不可能に近いと思います。

SIerがつまらないという人は、顧客の仕様を言われた通りに実装していくから、などど言う人が多くいると思いますが、少なくとも大規模システムは各業界を支えているシステムであり、そのシステムの目的やシステム導入後を思い描けているのであればそんな発想(=言われた通りにやれば良い)にはならないのではと思います。
そんな大きなことを主体的にこなしていくこと自体、楽しめる人は楽しいものです。

最後にまとめ

ということで、SIerってやりがいはあるのですが、SIerでプログラマしている人はやりがいを感じにくいのでは、というのが私の考え方です。
SIerにやりがいはあると言っていても、私自身は転職しているのでもしかすると説得力に欠けるかもしれないのですが笑

転職理由などについては以下の記事で述べていますので、よければ参考にどうぞ。

最後にSIerのデメリットを一応述べておこうと思うのですが、SIerは大規模開発が終了すると、プロジェクトの規模が縮小されるので多くの人が違う現場にいくことになります。
これが何を意味するのかというと、システム導入後に自分たちが作ったシステムがどんな価値があるかを把握できないし、継続的なユーザー企業の発展に寄与できないということなんですよね。
意思決定権限がユーザー企業側にあるので、どうしようもないっちゃないのですが、SIerで働いていてあるユーザー企業のIT推進や活用に深く関わろうと思ったとき、それはSIerにいるよりもそのユーザー企業のIT部門に身を置くほうが合理的だと、自分は考えています。
これがある意味、SIerのデメリットかなと。

それでは、今回はこんなところで。

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