Sierってどんなキャリアを積んでいくことになるのだろう?
Sierに入るとどんなスキルを身につけることができるのだろう?
Sierに入るためにはどんなスキルが必要になるのだろう?
このあたりの疑問を解消するための記事になります。
Sierのキャリアパス
大きく分けると、3つかなと思います。
・営業
・開発
・コンサルタント
それぞれ説明していきます。
ちなみに自分は開発系のキャリアパスを歩んできたので、営業とコンサルタントは所感といいますか、周囲を見ていての感想に近いものがあります。
営業のキャリアパス
まず、営業のキャリアは大きく2つに分けられます。
・アカウント営業
・ソリューション営業
ですね。それぞれの役割はまあまあ変わってきます。
アカウント営業
顧客営業とも言われますが、特定の顧客にアカウント営業担当者がついて、色々仕事をしていくことになります。
顧客に対して、
関係性の構築、課題の引き出し、提案活動、契約締結、納品活動・・・
こんなことをやっていくわけですが、精力的に活動している人と日々つまらなさそうに仕事をしている人と3:7くらいの割合かな。。という感じですね。
特に、「関係性の構築、課題の引き出し、提案活動」この3つを楽しめない人は、アカウント営業は地獄だと思います。
確かに契約締結とか納品活動もかなり地道な作業で大変なのは理解するのですが、ここっていまいちスキルが身につかないんですよね。。
例えば転職活動とかで、契約締結のノウハウを身につけました!って言っても響かない。
それよりも、「関係性の構築、課題の引き出し、提案活動」
の一連の活動を自分でどう考えてこなしていくかが、市場でも求められるスキルだと思います。
課題を引き出したあと、提案まで持っていく過程では、後述するコンサルタントと一緒になって案を仕上げていくことが多いイメージです。
また、提案活動にはRFP(顧客企業が出す、システムをこうやってつくってね、みたいな提案に対する要求書)に対する提案を書いていくことも含まれますね。(SIerではこのRFPに対する回答をしていく活動の方が一般的かな)
ソリューション営業
その名の通り、自社のプロダクト(製品)を展開していく人たちですね。
顧客の課題に対して打ち込んでいくやり方になるので、アカウント営業者と連携して、プロダクトの新規顧客を広げていくことが多い印象です。
また、プロダクトをどうマーケティングするのかを考えるのも、ソリューション営業の仕事ですね。
個人的には、アカウント営業よりもソリューション営業の方が楽しくやっている人の割合が多いと思います。
それはおそらく、「分かりやすさ」があると思うんですよね。
ソリューション営業は自社のプロダクトを持っている前提ですが、当然、そのプロダクトに興味を持っていたりする人が多い。
そうすると自然に、そのプロダクトを広めたい気持ちだったり、活用できそうなお客さんを必死に探したい気持ちだったり・・
そんな熱を持った人たちが比較的多いかなと感じました。
ソリューション営業はアカウント営業と比較して、個々の顧客の課題に深く入り込んでいくわけではないので、身につくスキルとしては
・プロダクト(サービス)の継続的発展
・マーケティング
が挙げられると思います。
ちなみに営業系のキャリアパスの記事は、以下のnoteが詳しく説明されていますね。自分も読みました。
SIer営業の業務プロセス全貌 ~僕が大規模案件を受注し ビジネスを拡げるためにやること~
開発のキャリアパス
開発は、
・プロジェクトマネージャー
・インフラエンジニア
の2つに分かれていくかなと思います。(本当はもっと細分化できますが、大きく分けるとという意味で。)
プロジェクトマネージャー
SI事業はプロジェクトマネージャがいないと絶対に成立しないので、この職がSIerの王道と言えます。
実際、SIerの社員のほとんどは、プロジェクトマネージャを目指してキャリア形成していくことになっています。
キャリア形成の仕方としては、
現場でシステム開発の経験を積む(〜5年目)
↓
チームリーダとなり、チームの進捗や課題解決、チームビルディングを経験する(〜15年)
↓
管理職となり、プロジェクトの責任者となる
みたいな感じですかね。
チームリーダのポジションで働く期間が長めです。管理職になるまでに時間がかかるのが大企業。(SIerで有名なところは大企業ばかり。)
また、SIerでは管理職になれないとプロジェクトマネージャとして活躍することが難しいです。
プロジェクトマネージャはある意味、そのプロジェクトの経営者ですので、役職がなければそのポジションに就くことができません。
大規模システム開発では、100%不可能と言い切っても良いくらいです。
裏を返せば、Sierで出世しやすいキャリアパスはプロジェクトマネージャと言われ続けていますが、上記の背景があるからでしょう。
(最近はプロジェクトマネージャー以外も出世するようになってきました。しかし割合的にはまだまだプロジェクトマネージャー優勢。)
インフラエンジニア
インフラエンジニアは、アプリケーションを動かすにあたって必要となる基盤を構築する役割を担います。
各種サイジングや、DB、NWの最適化はインフラエンジニアが行っています。
彼らはプログラミングができるというよりかは、各システムの特性を理解した上で最適な構造(アーキテクチャ)を決定し、それを組み立てていくスキルを身につけていきます。
実際に、自分もアプリケーションの開発をしていて、SQLの性能がどうもうまくでないという時に、インフラエンジニアの方に相談したところ、速攻で解決した、なんていうことも。
(自分のチューニングレベルが低いのももちろんありますが・・笑)
SIerの技術力が集結されている感じですね。
近年は、クラウド化がマジョリティ化していますので、クラウド上での最適化などもインフラエンジニアが引き受けます。
コンサルタントのキャリアパス
SIerのコンサルタントは案件を獲得するときに営業とともに活動するイメージがあります。
案件獲得前に、提案の方向性を決めたりするのは開発のメンバではなく、コンサルのメンバが中心になっていることが多いです。
営業が引き出してきた顧客課題に対し、解決策をどう打ち出していくか。
ですので、コンサルタントは1年の間に様々な案件に関わっていますね。
コンサルタントはシステムを開発することはなく、案の創出までが役割なので、新卒からコンサルタントだと微妙だな…と思います。
システム開発を経験したあとに、コンサルタントとして解決案を創出する方が合理的だと思いますね。
(システム作ったことのない人間に、ITコンサルしてもらうっていうのは誰も嬉しくないでしょう笑)
今後のキャリアの形は変化していく
今後、SIerが求められているのは、顧客のDXをどう加速させていくか、です。
DXを踏まえたSierの将来性は以下の記事で書いていますが、顧客視点の価値をどうやって高速で提供していけるかを考えていくことになります。
そうなると、以下のサイクルが必要なはず。
顧客の経営課題に対してどう解決していくべきか
↓
それはシステムではどう実現するのか
↓
案を顧客とブラッシュアップ
↓
作り直す
↓
思い描いていた解決案が変化していく
これを何回も繰り返し行っていく必要があるので、キャリアの最適解として
プロジェクトマネージャとコンサルタントの両方のスキル
を身につける必要があるのでは、と個人的には考えています。
今新卒だったらどれを選ぶ?
SIerであれば、
プロジェクトマネージャとコンサルタントの両方のスキル
を兼ね備える方向を目指すので、プロジェクトマネージャーを志望しますね。
システム開発を経験し、一通りのチームマネジメントを経験した後、顧客の課題解決を行うスキルを身につけるべくコンサルになる選択をするかなーと思います。
SIerの中であれば、ですが。
また、営業であれば自分はソリューション営業を選択すると思います。
ただソリューション営業は正直、SIerのプロダクトでヒットしているものは少ないんですよね。
というよりも、プロダクトの目的とかに共感して、それを世に広めたい!
って思って仕事をするほうが自然だと思いますので、
・SIerにいるのであれば興味のあるプロダクト企業と提携し、企業ブランドを使って広めていくことを考える
・興味のあるプロダクト企業に就職し、プロダクトの進化とマーケティングに全力をかける
という2択かなと。で、自分であれば後者を選びますね。プロダクト企業に所属していたほうが、開発チームへのフィードバックや連携はしやすいでしょうし、高速で改良していくことにつながるでしょうから。
中途でSIerに入社する場合は上記から逆算
面接に向けては、キャリアパスを理解した上で、今ままでの自分の経歴を使ってどのようにアピールするかを考える必要がありますよね。
上記で紹介したキャリアパスを参考にしてみてください。
志望動機の組み方については、以下の記事で解説していますので、合わせてどうぞ。
最後の方はおまけになってしまいましたが、SIerのキャリアパスってだいたいこんな感じです。
これを参考にしつつ、各SIerのホームページで紹介されているキャリアエピソードを見てみると、よりイメージができるのではないかと思います。
それでは。
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