今回は、今後のSIerの将来像を踏まえた上で、どれくらいからリストラがどのように始まっていくのかを予測してみたいと思います。
まずはSIerの側面も持つ富士通が早期退職を実施したので、そのお話から考察していきます。
富士通の早期退職について
大規模メーカでもあり、大手SIerの側面も持つ富士通が2019年に早期退職を打ち出したのがIT業界で話題になりました。
早期退職とは名ばかりの、結局は出世できずになんとなく会社に属し続けている45歳以上のリストラですよね。
(同じくSIerの側面を持つNECも、早期退職を募集していましたが、それはハード事業に対象が限定されていたようだったので、この記事では割愛しています。)
今回、会社の方針としては間接部門の社員が全体の14%の割合におよぶということで、一般的には10%に対して多すぎると。
そこにメスを入れるべく、早期退職に加えて人員の配置転換も行っているようですね。
この記事は今後のSIerのリストラに関する考察ですが、富士通の早期退職の目的を見ても、IT部門の人員削減はそこまで行われないことが推測されます。
短中期的に見ればまだまだSI事業は健在で、特にクラウドへの転換はどこの企業も今後やっていかなければならず、そこに人手が必要となり、ビジネスモデルを最適化していく必要があります。
削減したいのは、RPAやAIを導入することで置き換わってしまう業務にかかる人件費です。
間接部門はまさにその対象ですよね。
他の大企業も同様で、間接部門や、単純繰り返し作業などの業務削減は普遍的になることが容易に想定できます。
例えば、毎日顧客が書いたアンケート用紙などからパソコンにデータ入力して、エクセルで整理し、グラフなどで可視化する…
こういった作業は全く価値がなくなります。すでにAIツールを導入すれば無人で実現可能です。特に、大企業では今後こういったツールの導入が加速します。
コロナの影響で、大人数で集まって作業をするということが困難になった環境において、上記のような対策を講じるのはもってこいの時期だからです。
(だからこそ、今そんな業務の比重が高い人は、すぐにでもその場を離れるべきなんです。今は必要とされていても、いつ会社を追い出されるかわかりませんし、仮に仕事があったとしても収入が上がる可能性は極めて低いと言わざるを得ません。)
大企業に入社してぬくぬくと定年までを謳歌する考えは通用しない
「大企業に入れば安定だ」
というのは昔から言われてきたことですが、私はこう言い換えたいです。
「向上心を持って大企業に入れば安定だ」
やはり、大企業に入社することがゴールになってしまい、毎日言われた仕事ばかりこなしていたり、会社にいるだけで給料がもらえる環境に満足している人は危険ですよね。
リストラ対象になってしまうのは、こういう人たちです。今は45歳以上となっていますが、今後、このしきい値がどこまで下がってくるかなんてわかりません。
40歳でリストラになってしまったら、これまでの生活を変えなければならず、家族がいる場合には痛恨以外の言葉が見当たらないくらいです。
一方、向上心がある人を手放したいと思う会社はどこにもありません。
と同時に、本業での経験を副業に活かすことをこのサイトではおすすめしています。
理由は以下の通りで、
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自分のツイッターでもこんな感じで投稿しています。私も副業しているわけですが、余裕が生まれるのは強く感じます。
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唯一のデメリットは副業には相応の時間が必要になりますので、本業一本で市場価値を上げて年収upさせるんだ、という方向性もありですね。
人それぞれのライフスタイルで良いと思います。
SIerのリストラはしばらく発生しない
さて、本題への結論ですが、個人的にはあと10年くらいは今のSIer構造を維持できるものだと考えます。
将来のSIer像に関しては以下の記事でも詳細に述べていますので参考にどうぞ。
ざっと言うと、
・直近はオンプレからクラウドへのリフト&シフトの需要高
・これまでのSI事業の拡大は厳しい。がしかし、需要は残り続ける
→理想的には、ユーザ企業が自社でシステムのコア部分の開発を自前で行えることが理想(内製化)だが、望みは薄いため。
・中期的には各SIerはDX人材の供給ポイントへシフト。ここで下請けSIerの需要が下がり続けると予想
こういう予測背景を踏まえると、当分の間、SIerの需要というのは不変であると予想します。
とはいえ将来を見越すとSIerは大手に行くべき
これはこのサイトのいろいろな記事で書いている気がするのですが、最終的には下請けしているSIerは厳しくなると思います。
新卒〜40歳までの方々は、SI業界で仕事をしていくのであれば大手SIerへの就職もしくは転職をおすすめします。努力すれば到達可能なレベルだと思いますので。
大事なことなのでもう一度。
SIerは大手一択
です。
この話の詳細は以下の記事を参考にしてみてください。
▼入社候補の選定の参考には以下の記事をどうぞ。
あくまでも個人的な見解ですが、日本がIT後進国と言われているのは、各ユーザー企業がSIerへの依存度が高すぎて、自分たちでITに関する最適な意思決定ができていないということだと思っています。
本気でIT活用しようとする企業は、今後SIerや外資IT企業から優秀な人材を確保しようと動きが活発化するはずです。(すでにそういう流れになっている感じがありますね。)
せっかくITを生業にしているのであれば、将来を予測しつつ、世の中の大まかな方向性を把握し、自分がどのポジションで勝負するのか、一度考えてみてはいかがでしょうか。
この記事含め、このサイトの何かしらが参考になれば幸いです。
SIerでもプロジェクトマネージャなどのスキルが身につきますが、技術をひたすら極めてプロダクトに活かしていきたいという人は、プロダクト開発している企業や部署の方が総じて幸福度が高くなるのではと考えています。
今回はこんなところで。それでは。
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